2011年12月13日火曜日

smc PENTAX-M 1:1.4 50mm分解清掃

smc PENTAX-M 1:1.4 50mm
 カメラに懲り出すと欲しくなるのが明るいレンズ、お手軽に明るいレンズと言えば50mmの単焦点標準レンズです。APS-Cサイズイメージセンサーのデジタル一眼レフでは標準レンズといっても少し望遠となってしまいますが、MFレンズでのピント合わせの気持ちよさを味わいたくて入手してみました。
 某中古カメラ屋のジャンク品で\1,050(税込)であったので外観もボロボロでレンズの汚れもひどいものです。一緒に並んでいたフィルムカメラに取り付けてファインダーを除いてみましたが、しっかりした曇り具合で撮影したときのボケボケ感が期待できます。レンズ内部の汚れがひどかったのでそのままでは使えそうにありませんが、MFレンズは分解も簡単らしいので練習もかねて復活できるか挑戦してみることにしました。ピントリング、絞り輪は壊れていないようですので、内部レンズの清掃が出来てきちんと組み立てられれば使えるようになりそうです。
 うまく使えるようになればかなりお買い得!組み立て手順を忘れないように分解手順を写真で記録しておきます。

M50mm f1.4 正面
ジャンクレンズですので店の棚にそのまま置かれていました。外観はボロボロで、レンズ表面もベトベトです。一番やっかいなのが内部の汚れ(カビ)です。

M50mm f1.4 前玉
レンズの汚れは表面だけでなく、内側にもびっしり。

M50mm f1.4 後玉
後ろから見たレンズ内部の汚れ。これはやりがいありそうです・・・

M50mm f1.4 清掃前テスト撮影
汚れを取る前にカメラに取り付けてみてファインダーを覗いてみると、やはり曇り気味・・・。撮影してみても全体にモヤがかかってしまいます。ソフトフォーカスレンズとして使うのであればこのままでも良いのでしょうが、まともに使うためにはやはり分解清掃が必要でしょう。

M50mm f1.4 レンズ名リング
まずはレンズ前面にあるレンズ名の書いてあるリングを外します。これはフィルター取付枠にねじ込んであるのでフィルターを外す方向に回すと外れます。 外し方は上記の通りなのですが、これが難しくてそう簡単には外れません。今回はホームセンターで円柱形のゴムを買ってきて加工したものを使用。

M50mm f1.4 フィルター取付枠ネジ
次に外すのがフィルター取付枠。前玉の周囲にあるビスを3本外せば外れますが、ネジ山に対して真っ直ぐにドライバーを立てられないので外しづらいです。このレンズは分解歴があるようでネジの周りの塗装がはがれていました。

M50mm f1.4 フィルター取付枠
フィルター取付枠が外れたら前玉外しに取りかかります。前玉を固定している周囲の金属を回すとこの金属が外れます。この金属を外すと前玉は乗っているだけですので落とさないように注意します。

M50mm f1.4 前玉
前玉を外して見ましたが、強力な汚れはもっと奥のレンズの汚れのようです。このレンズは全部で7枚のレンズが組合わさっているそうなので、これでやっと1つ外れたことになります。まだ、先は長そう・・・

M50mm f1.4 2枚目、3枚目ユニット
次のレンズを外すのがやっかいでカニ目まわしという専用の工具が必要となります。そんな工具は持っていないので、今回はけずった釘2本を万力で固定したもので外しましたが、固定している金属の塗装が少し剥がれてしまいました。やはり専用の工具を使用したほうがよさそうです。レンズに傷が付かなくて助かりました。 ちなみにこれは2枚目と3枚目のレンズが一体のユニットになっていて一緒に外れます。 このユニットについている3枚目のレンズと、このユニットを外すことで現れる4枚目のレンズにびっしりと汚れが付いていました。

M50mm f1.4 清掃後
このレンズの汚れの正体が分かったため、汚れ具合の写真を撮るのも忘れて汚れを拭き取り、一気にレンズを組み立ててしまいました。 レンズの汚れは ・HCL LENS クリーナー ・HCL レンズクリーニングペーパー で落としました。初めはレンズに傷が付かないように弱めに拭いていましたが、かなり強力な汚れでしたので、少し強めで拭いてやっと落ちてくれました。

M50mm f1.4 清掃後テスト撮影
ごらんの通り、最初にテストした時のようなソフトフォーカスはすっかりなくなりました。Mレンズなのでカメラに絞り情報等は伝わってきませんが、古いレンズでこれだけ写れば十分です。MFレンズでも測光できるしそんなに不便ではなさそうです。ペンタックスのカメラは古いレンズも使いやすいので、貧乏人のレンズ遊びには最適です。

M50mm f1.4 絞り開放試し撮り
ちなみにこちらは絞り開放(f1.4)での撮影です。健康の「健」にピントを合わせて見ましたが、ピントの幅が狭いのでピント合わせが厳しいです。絞り開放では描写も甘くなってしまうので、実際は少し絞っての使用となることでしょう。 レンズの分解清掃は、専用の工具も必要であり、ドライバー1本で分解可能というお手軽さはないので、誰にでも勧められるものではありませんが、自分で古いレンズを甦らせることが出来るととうれしいですね。

1 件のコメント:

  1. はじめまして。同じものを分解清掃したのですが、ピントリングがスルッと抜けてしまいます。どのように固定してあったのか忘れてしまいました。よろしかったら教えてくれますでしょうか。

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